2021 Jan. 21 第12回“光”機到来!Qコロキウム

盛会のうちに幕を閉じました。ご参加ありがとうございました!

発表1:石綿 整(東京工業大・さきがけ特別研究員)
ナノスケール量子計測を用いたラベルフリー脂質二重層相転移計測

NVセンタを用いたナノスケール量子計測は、一細胞以下の領域における生体現象への応用が期待されている。例えば、NVセンタを用いたナノスケールNMRは、~(6 nm)3 の微小体積からの核スピン解析を実現し、同時に1℃以下の分解能を持つ高感度な量子温度計測を可能にする。本講演では微小検出体積からの核スピン計測を利用した脂質二重層相転移計測について、何がナノスケールなのか?何を計測しているのか?どうやって解析するのかについてその特徴について解説する。

Youtube チャットコメント一覧:

*チャットコメントに対する先生方からの返答はイタリックで追記しました。

質問① Kiyoshi Miyata

素朴な質問で恐縮ですが、NVセンターの密度はどのくらい制御できるものでしょうか? シンプルに密度を上げれば発光強度はあげられないかと思いました。

コメント❶ Yutaka Shikano

我々の仕事を紹介していただき、ありがとうございます

質問② Kiyoshi Miyata

NVセンターを使った測定の感度は何がメインファクターとなって決まるのでしょうか?

質問③Yoichi Kobayashi

2点あります。NV発光のマイクロ波の有無の差分の時間変化で、数十ナノ秒程度のライズがあるように見えますが、それはどんな現象に対応しているのでしょうか?

質問④ Yoichi Kobayashi

マイクロ波のセットアップ詳細ぜひ教えてください。

質問⑤ tomoyuki hamachi

ダイポールの相互作用を見ているということでしたが、観測対象は油脂といったある程度粘性の高い物質に限られるのでしょうか?

質問⑥ Yoichi Kobayashi

もし時間があれば教えてください(なければスキップしてください)。NVセンターの発光を観測されているということは、光を吸収するということだと思うのですが、吸収係数(吸収断面積)はどれくらいでしょうか?小さいように思うのですが、その吸収を増感するような研究はあったりするのでしょうか??

質問⑦ Akihisa Mino

培養細胞の脂質二重層でのflippase等の働きや, それに由来するラフト構造形成も観測できるのでしょうか。

コメント❷ Yoichi Kobayashi

シミュレーションでも再現できているので興味深く見ていました!

発表2:渡邊 一也(京都大・教授)
「分子と輻射場の強結合による励起状態ダイナミクス変調 」

光の波長オーダーの微小共振器内に分子集合体を配置すると,分子と輻射場の強結合状態が生じうる.我々はこの強結合状態の形成による電子励起状態ダイナミクスの変化に興味を持ち,時間分解分光による研究を行っている.本講演では,有機薄膜の一重項励起子分裂過程や,励起子エネルギー揺動過程への,強結合状態の影響を明らかにした最近の成果を紹介する.特に,電子励起における振電結合の大きさが,強結合状態の形成により変調を受けるという観点から,超高速分光の結果がどのように理解されるかということを議論したい.

Youtube チャットコメント一覧:

質問① Kiyoshi Miyata

前半の話のところですが、V_SFはキャビティとのカップリングで必ず小さくなるという理解でよさそうでしょうか。また、V_SFに限らず他の相互作用でも基本的にはそうでしょうか。後半のところで、DBP以外の分子も同様の傾向を取ると考えられますでしょうか?

質問② Yoichi Kobayashi

Cavityを形成したフィルムの多重反射が時間分解測定においてスペクトル、時間領域で観測されてしまったりしないのでしょうか?特に二次元電子分光では散乱がシグナルに含まれるとデータ解析が難しくなることが多いように思ったので、気になりました(時間軸のフィルターでもしきれない?)。

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